快慶の仏像彫刻は美しく、仏師”快慶”の存在は兄弟子”運慶”と共に輝き続ける!
日本は仏教の影響を大きく受けた国。
だから、あなたも僕も
小さい頃から”仏像”には少しは
馴染みがあるのではないでしょうか?
僕が、絶対に紹介したい
美意識の達人の一人がいます。
日本の仏像彫刻界の重要人物
仏師 ”快慶(かいけい)”さんです。
仏師(ぶっし)とは
仏像:仏画の制作に従事する人のこと。
こんにちは
日本美意識本舗のオーナー・筆者
絵師・イラストレーターのアオキシロウです。
今回は、ぜひ
あなたの美意識に
仏師 ”快慶(かいけい)”さんの美意識を
クロスオーバーさせて
共鳴させてみてください。
きっと、新しい発見と感動があるはずです。
もくじ:この記事の内容
快慶(かいけい)とは?
快慶 早わかりプロフィール
快慶(かいけい)
生没年は不詳ですが
平安末~鎌倉時代初期に活躍した
鎌倉時代はもとより
日本彫刻界を代表する仏師(ぶっし)です。
※仏師(ぶっし)とは、仏像:仏画を
つくる仕事に従事する人のことを指します。
快慶の代表作:国宝
僧形八幡神坐像[そうぎょうはちまんしんざぞう]
東大寺僧形八幡神坐像(そうぎょうはちまんしんざぞう)は
運慶快慶で知られる仏師・快慶によって造像された仏像です。
快慶の無位時代の仏像の代表作で国宝に指定されています。
快慶 日本人を魅了し続ける仏のカタチと
美意識の響きが生きています。
快慶(かいけい)は、天才仏師:運慶(うんけい)と並び称される
仏像の鎌倉彫刻様式の完成に重要な役割を果たした
日本が世界に誇る彫刻芸術家の一人です。
快慶代表作:弥勒菩薩立像「みろくぼさつりゅうぞう」
像内の中にあった納入品により
快慶が造立した弥勒菩薩立像であることが判明され
今日知られる快慶作品のうち最も制作年代が早いと言われ
その、みずみずしいボリューミーな作風から
作者:快慶の若さが溢れでていると評されています。
/出典:奈良国立博物館
仏師:快慶と仏像制作工房:慶派とは?
仏教と深い関わりのある日本において
仏像・仏具を作る仏師の職人工房が
いくつかあって
あの天才仏師:運慶(うんけい)の
お父さんである康慶(こうけい)が指揮をとる
慶派(けいは)と呼ばれる仏師工房に
快慶は弟子入りたんですね。
つまり
快慶は、運慶のお父さんである
康慶(こうけい)の弟子になったんです。
当然、慶派を牽引する仏師だった
康慶(こうけい)を父に持つ運慶も
慶派を代表する仏師でしたから
快慶は、運慶という素晴らしい兄弟子を持つ環境に
身を置いたことになるんです。
国宝 快慶 作:本尊阿弥陀(あみだ)三尊像が光輝く!
仏師(ぶっし)=仏を彫る職人工房の流派には
大きく3つの流派があったんです。
ときは平安末期。
仏師の租と言われる「定朝(じょうちょう)」の流れから
貴族からの発注を受けて京都で活躍してい
「円派(えんぱ)」と「院派(いんは)」が
台頭していました。
そして、奈良で活躍していた「慶派」と
大きく仏師の派が3本に分かれていきました。
最初「慶派」はあまり振るわなかったのですが
やがて、武士の時代である鎌倉時代に突入すると
仏師、及び工房への発注者が
貴族から武家へと移行し
ダイナミックで写実的な売りの作風の「慶派」が
武士たちに好まれ始める時代になり
鎌倉時代は慶派が台頭していったんです
あの仁王様、東大寺:南大門の金剛力士像
阿形(あぎょう)像は
運慶と快慶の共作:コラボ作品だった!
快慶と運慶の傑作!仁王さんで親しまれる
東大寺:南大門 金剛力士像の阿形像と吽形像
快慶と言えば運慶。運慶と言えば快慶。
そして、あの仁王さまの名で知られている
奈良 東大寺:南大門(なんだいもん)の
金剛力士像(こんごうりきしぞう)は
有名ですよね。
金剛力士は、仏教の守護神で
口を開いている阿形(あぎょう)像と
口を結んだ吽形(うんぎょう)像の
2体を一対として安置されています。
上半身が裸で、筋骨隆々とし力強さに満ち溢れ
阿形(あぎょう)像は怒りの表情を顕わにし
吽形(うんぎょう)像は怒りを内に秘めた表情を
表現していると言われています。
こうした造形は、東大寺をお守りする役目で
寺院内に仏敵が入り込むことを防いでいる守護神
としての性格を表現していると言われています。
詳しくは
阿形像(あぎょう=口を開いた像)は
大仏師:運慶さんと快慶さんが
小仏師13人を率いて造立したもの。
吽形像(うんぎょう=口を閉じた像)は
大仏師:定覚(じょうかく)および湛慶(たんけい)が
小仏師12人を率いて造立したものであることも
判明しています。
ちなみに、仏師:湛慶は運慶の子供であり
運慶・快慶と並ぶ大仏師に成長するんです。
つまり
奈良 東大寺:南大門(なんだいもん)の金剛力士像は
率いる慶派(けいは)の棟梁である康慶(こうけい)が
率いる慶派の仏師一門=集団が
絶妙なチームワークと分業で創造した芸術作品なんですね。
快慶(かいけい)と運慶(うんけい)の関係は?
快慶と運慶は兄弟なの???
実は、慶派一門の棟梁=リーダーであった
康慶(こうけい)の実の息子に
あの有名な仏師:運慶(うんけい)がいました。
そして、康慶(こうけい)率いる慶派という
工房に弟子入りしたのが快慶なんです。
だから、運慶と快慶は実の兄弟に
間違われますが、兄弟ではありません。
快慶は 、運慶とは血縁ではなく
運慶さんを兄弟子と仰ぎ
兄弟弟子として、運慶(うんけい)を助け
慶派一門の繁栄に大きな役割を果した
仏師としての重要人物だったんです。
まとめると、つまり
仏師:快慶と運慶の関係は
運慶の父である康慶(こうけい)を師と仰ぐ
兄弟弟子の関係にあった慶派の天才仏師と
言えます。
仏師:快慶(かいけい)の代表作は・・・
・ボストン美術館蔵の弥勒菩薩(みろくぼさつ)像
・浄土寺の本尊阿弥陀(あみだ)三尊像:兵庫県小野市
・東大寺の僧形八幡(そうぎょうはちまん)神像:奈良
・安倍文殊院(あべもんじゅいん)の
文殊五尊像(もんじゅごほんぞう):奈良県桜井市
・東大寺南大門の金剛力士(こんごうりきし)像は慶らとの共同制作:奈良
・重源上人のためにつくった東大寺
俊乗堂の阿弥陀如来(にょらい)像
他、多数の阿弥陀如来立像があります。
快慶と運慶(うんけい)の作風・
作品の特徴の違いを教えて・・・
快慶の代表作:釈迦如来立像[しゃかにょらいりゅうぞう]
快慶(かいけい)さんの作品の特徴は
理知的、写実的、絵画的
端正で繊細で流麗で優美で穏やかで
大衆性のあり、親しみやすさをもったその作風は、
「安阿弥様」(あんなみよう)と呼ばれ
後世の仏像彫刻に多大な影響をあたえました。
それに対して
兄弟子の運慶(うんけい)の作品は
力強く剛健な美意識・作風なんです。
快慶「四天王立像のうちの広目天」格好いい!
アニメや漫画の原点となるキャラクター!
見てください!
・・・この流れるしなやかな彫刻像の造形の美しさを!
高貴な上に、慈悲深き気品に溢れ
しかも、観る人の本心までも
見抜き射抜く鋭い洞察力が満ちる彫刻の美意識です。
流麗で理知的で端正で優美で親しみ味わい深さが
快慶さんの真骨頂!
ココが快慶さんのスゴいところ。
果てしない魅力だと感じてしまうのです。
僕もこの広目天さんを目前にしたとき
息を飲み込んでしまって、声が出ませんでした(汗)
そして、この柔軟なリラックッスした姿勢を
真似ていた自分がいました(汗)
快慶のココがスゴい! 快慶の魅力!
仏師である”快慶(かいけい)”の
魅力を一言で言えば
鎌倉彫刻様式の完成に重要な役割を果たし
日本仏像彫刻史上最高峰の
仏師集団:慶派の基盤を築き
日本の仏教彫刻芸術に
多大な影響を与えたきた
運慶と並ぶ最高の仏師であること。
さらに
快慶さんは
源平の争乱で焼失した東大寺の復興を果たした
東大寺の大勧進職(だいかんじんしき)
つまり最高責任者の日本の僧:重源(ちょうげん)上人に
帰依(優れた人格者に対して全身全霊で信仰をいただくこと)
して、自分自身を安阿弥陀仏(あんなみだつ)とも名のりました。
建久年間 (1190~99) の東大寺復興造仏では
兄弟子の運慶さんを助けて
正系仏師慶派(けいは)一門の繁栄に
大きな役割を果し
遠い地まで足を運び活動範囲を広げ
高齢で没するまで
多数の仏像創作の没頭した天才で
日本仏師業界に
なくてはならない人物と言えます。
※重源(ちょうげん)上人とは
源平の争乱により焼か落ちた
東大寺と大仏殿の再建を果たした
平安後期~鎌倉初期の浄土宗の僧侶です。
快慶「四天王立像のうちの多聞天」が格好いい!
この立身したお姿が実に凛々しい!
本当に格好いい、四天王立像の多聞天。
流麗で美しいの一言ですよね。
現代のアニメの元祖とも言ってもいいですよね。
その魅力は、140センチ弱の体高なのですが
まさに、生きているとしか
言いようがない引き寄せる魅力に釘付けになるんです。
快慶のココがやっぱりスゴい!
ココが快慶の超魅力だと感じます。
まとめ
快慶(かいけい)さんは
わが国を代表する仏を彫る仏師のひとりであり
鎌倉彫刻様式の完成に重要な役割を果たした人物
として運慶(うんけい)と並び称されています。
我々日本人が世界に誇れる仏師・芸術家・作家で
あることを、あらためて痛感し
その感動をいただいています。
6月4日(日)まで、これまでにない最大級の
快慶さんの展覧会が奈良国立博物館で
開催されています。
実際に”快慶”さんの息吹を
目と体と五感で感じ取れる機会かと思います。
快慶さんと仏(ホトケ)の美意識に触れ
研ぎ澄まされたい方は・・・ぜひ。
では、また日本美意識本舗の美意識の達人たちの
世界でお会いしたいいと思います。
・・・・・・アオキシロウ
この記事の巻末に著者:アオキシロウの詳細プロフィール
を紹介していますので、ご覧ください(*゚▽゚)ノ