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歌川国芳は猫・金魚・美人画・武者絵・だまし絵・寄せ絵・妖怪の浮世絵で想像を超えていく!

今回の”美意識の達人”は・・・
お待たせしました!
日本が世界に誇る奇想天外な浮世絵師
歌川 国芳(ウタガワ クニヨシ)さんの登場です。

ここ数年、葛飾北斎や歌川広重と
肩を並べる人気ぶりの”クニヨシ”パワー!
21世紀のハイスペックな写真・SF映像なんか
目じゃないぜっと言わしめ
観る側の想像をはるかに超えていく!
ド迫力で観る者の度肝を抜かせる
クニヨシ・ワールドをご紹介しますね。

ご挨拶が遅れました、こんにちは!
日本美意識本舗:オーナー・筆者
絵師・イラストレーターのアオキシロウです。

今回、ご訪問いただきた機会に
ぜひぜひ、歌川 国芳(ウタガワ クニヨシ)さんの
オーラを浴びていただき
国芳さんの美意識を楽しく
ご堪能していただければ
著者として非常に嬉しいです
(^_^)

前置きはさておき、さっそく
国芳(クニヨシ)さんの美意識を浴びてみましょう(*゚▽゚)

______________絵師:アオキシロウより

金魚づくし 百物語(1839年頃)/出典:bakumatsu.org/

もくじ:この記事の内容

歌川国芳 55秒早わかりプロフィール

歌川国芳(ウタガワ クニヨシ)
江戸時代後期の浮世絵師なんです。
生没年は1797(寛政9)~1861年(文久元年)
江戸・神田の染物業柳屋に生まれた江戸の人なんです。

15歳で初代歌川豊国(ウタガワ トヨクニ)に入門し
風景浮世絵師で有名な歌川広重(ヒロシゲ)さんとは
同年の生まれで
”風景浮世絵は広重”であり
”武者絵の国芳!”と称された

日本の浮世絵史に残る浮世絵師なんです。

歌川国芳(ウタガワ クニヨシ)は
同時代に活躍した
歌川広重(ウタガワ ヒロシゲ
歌川国貞(ウタガワ クニサダ)と共に

歌川派の三巨匠の一人に数えられました。

優れた絵画の描画力・表現力
発想や構図の奇抜さ・
豊富なデザインアイデアの持ち主であり
表現テーマの範囲も
”武者絵”に始まりだまし絵寄せ絵美人画
人間に擬態した猫絵(猫づくし)金魚(金魚づくし)

鯉・伊勢海老・タヌキなど、また妖怪画を加え
豊かな創作表現の引き出しを持った

ユニークな浮絵師・絵画作家
なんですね。

『山海め伝度図会 津ゞきが見たい 志州西宮白魚』(さんかいめでたいずえ・つづきがみたい・ししゅうにしのみやしらうお) 美人画の一つ/出典:wikipedia

歌川国芳のココがスゴい!歌川国芳の魅力!

歌川国芳(ウタガワ クニヨシ)のすごいところは!?
一言で言い切ると・・・
観る者の予想をバッサリ裏切るところ。
観る者の想像をはるかに超えていくところ。

そして、圧倒的な描画力と奇抜な発想と
豊富なアイデアと計算された構図。
非凡な構成力の持ち主であるところ。

さらに、表現の題材が多彩
表現フィールドが広いこと。
武者絵・役者絵・美人画から
だまし絵・寄せ絵・
人間に擬態した猫絵・金魚絵をはじめ
鯉・伊勢海老・タヌキなど鳥獣戯画。
また、独特の世界観が魅力な妖怪画。
と実に広いんです。
国芳のズバ抜けた作画力がスゴい!
こんなに広いフィールドを表現できる
浮世絵師は他にあまり見かけないと言っても
過言ではないですよね!

「山海愛度図会」(さんかいめでたいずえ)ヲゝいたい(1841年)/出典:bakumatsu.org/

『山海愛度図会(さんかいめでたいずえ)』は
日本全国の名産品を浮世絵で紹介する全62枚のシリーズものです。
タイトルはすべて「~たい」で統一されているんです。
猫好き浮世絵師:国芳さん
モデルさんの女性さんに愛ネコを持たせ登場させ
猫に飛びつかれた女性が「ヲゝいたい=おお痛い!」と
叫んでいるところをバッチリ捉え描いているんですね。
猫の爪がちゃんと飛び出しているところまで描いている。
さすが、国芳さん、芸が細かい!
歌川国芳さんのネコフリークぶりが伺えますね(*゚▽゚)

武者絵の国芳:歌川国芳は奇才!多才!天才!
奇抜!猫浮世絵師の真髄に迫る!

国芳代表作『宮本武蔵と巨鯨』
巨大な鯨と宮本武蔵が戦う三枚絵に圧倒される!

『宮本武蔵の鯨退治』歌川国芳画(出典:wikipedia)

例えば、上の浮世絵なんですが
当時、浮世絵の世界のメインテーマは

美人画や風景画なんかだったけど
こんなにデカい大海のクジラ
題材に持ってきて、ド迫力で
描いてこられたら・・・

僕らが、円谷プロの怪獣ゴジラを
映画館の大画面で観せられた時と
同じくらい、お江戸の庶民
衝撃と驚きがあったはず!と感じるんです。

ましてや・・・この浮世絵をよく観ると
鯨(クジラ)の背中に乗っかっちゃて

たった一人、刀1本で勇敢に闘い挑んでるのは・・・
あの泣く子も黙る日本No. 1剣豪:宮本武蔵なんです!

これには、お江戸の庶民は
『こりゃあ、たまげた〜っ!』となるわけです。

『報讐忠孝伝 宮本武蔵』 歌川国芳画(出典:wikipedia)

あの泣く子も黙る宮本武蔵さんについては
日本美式本舗『美意識の達人』の記事でご紹介していますので
興味をお持ちであれば、覗いてくださいね。

国芳の浮世絵には現代の漫画・アニメの原点がある!

『荷宝蔵壁のむだ書』 嘉永元年(1848年)頃/出典:wikipedia

上にある国芳さんの浮世絵『荷宝蔵壁のむだ書』
まさに、現在の『漫画・アニメ』の原点・源流って
感じですね。
日本が世界に誇る美意識文化の筆頭に
『漫画・アニメ』文化
ありますが、
あの江戸時代に
江戸庶民の喜ぶ話題性豊かな風刺を
鋭く浮世絵に描きまくっていたんですね。
今の漫画家・アニメ作家の手本となる
ルーツ・原点を描き表現している
国芳のドローイングは価値あると思うんです。

クニヨシ・ワールド!まだまだスゴい国芳!

国芳( クニヨシ)さんの
スゴいところは、まだまだあるんです。
なんてったって
浮世絵制作のテーマを選ぶ選択肢の豊かさ
が挙げられます。

国芳さんの真骨頂というべき”武者絵”に始まり
観る者を楽しませる滑稽な”だまし絵”
観る者が頭を使い解いていく”寄せ絵”

生粋で、いなせな美人画。
猫マニア・猫狂の歌川国芳自身の『猫づくし』
夢にまで出てきそうな様々な妖怪たち。
人間に擬態し、面白おかしく観る者を
 楽しませてくれる
金魚・鯉・伊勢海老などの鳥獣戯画・・・と
ホントに制作・創作の守備範囲が広いアーティスト
作家さんだったんですね。

国芳の西塔鬼若丸(さいとう おにわかまる)すげぇ大迫力!

西塔鬼若丸/出典:bakumatsu.org/

武蔵坊弁慶(むさしぼう ベンケイ)の若いとき。
鬼若丸(おにわかまる)こと弁慶が
巨大な鯉を退治したという有名なエピソードを
題材として描いた国芳の浮世絵なんです。

モンスター級の鯉を押さえつける鬼若丸!
凄いですよね〜っ!
超大物のコイ(鯉)釣りマニアが観たら熱狂しますよね!

ちなみに
鬼若丸は、お母さんの胎内に18カ月もいたとされ
産まれてきたとき、すでに通常の赤ん坊の3倍位の大きさがあり
歯は生えそろい、髪は肩まで伸びていたという外見から
『鬼若』(おにわか)と名付けられたと言われています。

・・・このように
様々な浮世絵のテーマを豊かに広げ
浮世絵の世界を多彩に
広げたところが
 国芳( クニヨシ)さんの魅力でありスゴいトコロなんですね。

歌川国芳 浮世絵師 の催眠に掛かる喜びと感動!

国芳代表作『相馬の古内裏』出た〜っ!巨大ガイコツ!
髑髏”しゃれこうべ”のど迫力!

『相馬の古内裏』巨大な髑髏”しゃれこうべ”/出典:wikipedia

異質なまでにオドロおどろしい
国芳(くによし)の浮世絵の世界は
観たこともない世界に引き込んでくれます。

『相馬の古内裏(ふるだいり)』
巨大な髑髏”しゃれこうべ”
つまり、
こんなデカいガイコツが迫ってくる!

観る者の脳内にビューンと裸足で
ぬゅめ〜っと入り込んでくる
国芳絵の妖怪・怪物たちは
アナタの体内に入りうごめき始めるんです。

いったん足を踏み込んだら、
抜け出れない
歌川国芳の
奇想天外な美意識の世界:”Kuniyoshi  world !

『圧巻!:あっかん!』とは
もう凄すぎて、もう何も言えない状態なんです。
英語て言うところの、Masterpiece:マスターピース!!
この『圧巻!』という言葉は
 アーティスト: 国芳を言い当てる言葉だと感じるんです。

『禽獣図会 大鵬 海老』神獣を題材にしたシリーズ『禽獣図会』(1839~41)の一枚/出典:wikipedia

僕たちが食べる美味しい伊勢海老が
国芳さんの手にかかると・・・
私たちの想像を遥かに超える表現になっちゃう!

荒波から跳ね上がる
真っ赤なモンスター海老になっちゃう!
もう。あっぱれ!・・・もう、脱帽っ!

歌川 国芳:この名前の読み方を教えて!?

歌川 国芳(うたがわ くによし:Utagawa Kuniyoshi)と読みます。
日本を代表する浮世絵師(浮世絵を描く絵師・画人)で
海外では、Kuniyoshi(クニヨシ)の愛称で呼ばれ愛され
我々日本人が胸を張って誇れる世界一級の浮世絵師の名前です。
そして、
日本一の猫フリークであった猫浮浮世絵師:歌川国芳
浮世絵を描く際も猫を抱いて描いたとか・・・下の絵からも
わかるように、国芳の周りはネコちゃんだらけ!

多彩な技を持つ江戸時代後期の歌川派の代表する浮世絵師:歌川国芳:自画像/出典:wikipedia

浮世絵師 歌川国芳の生年月日は?
いつの時代に生きた人物なの?

歌川 国芳(うたがわ くによし)
西暦1798年生まれ~1861年没(寛政9年~文久元年)
江戸時代後期に生きた浮世絵師。65歳で生涯を閉じる。

歌川 国芳の生年月日・お誕生日は西暦 1798年1月1日
1月1日:元旦という一年で一番、おめでたい日の生まれ。
「新年明けまして 生まれまして おめでとう!」
ってな感じで誕生したんだからもう粋ですよね〜。
やっぱり、何か持ってるんですよね(^_^)

ちなみに、あの世界的に著名な風景浮世絵師
歌川広重(うたがわ ひろしげ)と
同年の生まれというのも奇遇ですね。

※歌川広重については
 日本美意識本舗の美意識の達人:記事で紹介しています。
 興味のある方は、ぜひ是非、覗いてみてください。

武者絵の国芳(クニヨシ)と呼ばれるにはワケがある!

『赤澤山大相撲』/出典:wikipedia

戦う人間の肉体の底力がみなぎる筋肉。
みなぎる汗と闘争心むき出しの顔の表情。
戦う中での人間の体術の一瞬を捉え
そのみなぎる気迫と緊迫感と空気感。
その人物から発せられるエネルギーの爆発量を
体感できる感動として与えてしまうのが
国芳(クニヨシ)の描写力・迫力・魅力なんですね。
【武者絵の国芳】と言われる迫力がソコにあります。

歌川国芳の生誕地・出生地・生まれは?

歌川国芳の生まれは、お江戸・日本橋。
江戸日本橋本銀町一丁目、現在の東京都中央区
日本橋本石町四丁目あたりで生まれたらしく
染物業:柳屋吉右衛門(きちえもん)の子として
生まれました。
カンタンにいうとお江戸のド真ん中の日本橋生まれ!
お江戸の人!
これまた粋 (イキ) で生粋の江戸っ子なんですね。

『義経一代記 五条ノ橋之図』 牛若丸と武蔵坊弁慶、五条ノ橋の闘い。
/出典:wikipedia

弁慶が薙刀(ナギナタ)を振りかぶった!!!
その瞬間、牛若丸が宙を舞った!

立ち会う人間も景色も抜群にカッコイイ!
・・・と言いたくなっちゃうのが国芳の絵画の世界観。
彼の魂と美意識のオーラがビュジュアルから発せられ
見入る僕らに浴びせつけられるんです!
手に汗を握る瞬間を国芳(クニヨシ)は、射抜くんです!

浮世絵師 歌川国芳の本名を教えて?

幼名は井草 芳三郎(いぐさ よしざぶろう)
本名井草 孫三郎いぐさ まござぶろう
通称:孫三郎まござぶろう)を名乗る。

画号(絵師としてのプロネーム)
一勇斎 (いちゆうさい)を名乗り、後に
彩芳舎(さいほうしゃ)朝桜楼(ちょうおうろう)
雪谷、仙真とも名乗ったそうです。

戯遊七福神』/出典:wikipedia

武者絵と言えば
歌川国芳に右に出る者はいないと言われますが
もう一つユーモアたっぷりの
人を思わず笑顔にしてしまう
戯画・鳥獣戯画も国芳の真骨頂なんです。

歌川国芳の生い立ちは? 歌川国芳の生涯は?
歌川国芳とは一言で何者で?  どんな人?

一言で言えば、歌川 国芳
江戸時代後期の歌川派の代表する浮世絵師。

江戸・神田の染物屋:柳屋吉右衛門(きちえもん)
の子として生まれた国芳。
幼少期から絵を学び、12歳の時に描いた絵を
江戸後期から幕末にかけて浮世絵界で隆盛を誇った歌川派の
初代:歌川豊国(とよくに) が目に留め

15歳で「歌川派」に入門し、生涯にわたって
浮世絵の世界に情熱を注ぎ
込んだ熱き絵師なんですね。

歌川 国芳は『武者絵の歌川 国芳』と呼ばれたんですが
浮世絵の枠にとどまらない魅力を発したんです。
その表現領域は、実に広く、
錦絵、風景画、美人画、役者絵、花鳥画、
武者絵、風刺画、戯画(ぎが)、肉筆画、
版本である読本・合巻(ごうかん)・滑稽本の挿絵など
幅広い制作範囲で才能を発揮した浮世絵師なんです。

『そめいろづくし』 染め物を題材にした戯画で、「ねこしぼり」「狐こん」「熊くろ」など遊び心に富む。団扇絵(うちわの地紙用に描かれた絵)/出典:wikipedia

歌川国芳について? もっと教えて!

歌川 国芳は
初代:歌川豊国(とよくに) 率いる「歌川派」に
15歳で入門
不遇の時期が長く過ごすのですが
文芸界の『水滸伝:すいこでん』ブームに乗じて
発表した『通俗水滸伝豪傑百八人之一箇』
(つうぞくすいこでんごうけついっぴゃくはちにんのいっこ)
の錦絵シリーズで一躍人気を博し
【武者絵の国芳】のとして
人気絵師の仲間入りを果たした
んです。

とにかく歌川国芳は動きのある絵を描くのがうまく
浮世絵に登場させる主人公を
ダイナミックなポージングで描き
その躍動感溢れる表現に
優れた力量を発揮する浮世絵師だったんです。
その長所が最も活かされるのが武者絵だったんです。

歌川国芳の人物像をカンタンに教えて?

その国芳(クニヨシ)の魅力は
目に見えたものをそのままで描く写生に止まらず
イマジネーション豊かに表現し
見る物の想像力を高めて
見せてくれる所かもしれません。

画業において、洋風陰影法を駆使したり
銅版画の作風を学ぶなど、旺盛な吸収力で
観る者を驚かせり、喜ばせたりする
サービス精神の旺盛な作家・人物でした。

武者絵・奇想の天才画家として
国芳でありますが
人間的にも侠気のある親分肌で
ときには反骨精神で幕政を風刺する作品を
世に送り、アイデアとユーモアと勇気を
芸術・美術のパワーで発揮し対抗しました。
その一方では
猫をこよなく愛するなど猫浮世絵師
顔を持つなど、その人物そのものが
歌川国芳の魅力を倍増させていると
実感してしまうのです。

錦絵揃物「通俗水滸伝豪傑百八人之一箇」(版元加賀屋)/出典:
J Crafts – blogger

浮世絵師集団の名門”歌川派”は
実は、2系列あった!

浮世絵の絵師集団【歌川派】には
実は、2本の系列があったんですね。
豊春―豊国(師匠)―弟子の『国貞』と『国芳』という系列と
豊春―豊広(師匠)―弟子の『広重』という系列があります。

落語:噺家の世界を例えてみると
わかりやすいのですが

たとえば、
三遊亭の一門(いちもん)とか
立川流、三笑亭、古今亭とか

師匠が違うと弟子の流れも
変わってくるっていう流派の世界が
絵師の世界もあったんですね。

”歌川派” 歌川豊国の率いる一門のツートップ!
国芳(くによし)&   国貞(くにさだ)!

江戸後期の絵師の世界で
初代:歌川豊国の率いる一門は超人気!

その一門に、歌川 国芳は入れたんですね。
歌川 国芳(くによし)と人気を二分した兄弟子の
歌川 国貞(くにさだ)もいたんです。

兄弟子の歌川国貞&弟弟子の歌川国芳:歌川派のツートップを走った!/出典:Bunkamura ザ・ミュージアム展覧会より(会期は終了しています)

 ”浮世絵の歌川派の三巨匠”とは?!

国芳と同じ年に生まれた天才に
あの風景浮世絵で超人気の歌川 広重がいます。実は
広重は、国芳の入門した初代:歌川豊国の率いる一門に
入門したかったですが・・・
入門志願者殺到、満員で入門することはできず
やむなく、もう一つの系列:歌川 豊広(とよひろ)の
門下に入門したんですね。

けど・・・いずれにしろ、
この歌川派の三巨匠と呼ばれる3人の浮世絵師
▶︎歌川 国芳(うたがわ くによし)
▶︎歌川 国貞(うたがわ くにさだ)
▶︎歌川 広重(うたがわ ひろしげ)

は。”浮世絵の歌川派の三巨匠”と呼ばれてたんです。

▶︎歌川 国芳(うたがわ くによし)
師匠:歌川豊国(とよくに)門下生:奇才の国芳!

歌川国芳:今回のテーマの主人公。歌川派の時代を兄弟子:国貞、同期の広重と共に築いた浮世絵師/出典:wikipedia

▶︎歌川 国貞(うたがわ くにさだ)
 師匠:歌川豊国(とよくに)門下生:役者浮世絵師!

歌川豊国の門に入門し、”歌川流”の歌川豊国一門の中で国芳とともにツートップの位置を獲得し歌川流に貢献した”国貞” 国芳の兄弟子/出典:wikipedia

歌川派の別系列:歌川豊広(とよひろ)の弟子となった
歌川 広重(うたがわ ひろしげ)

歌川豊国に入門を志願したが満員のため断られ、仕方なく歌川豊広に入門した歌川広重/出典:wikipedia

歌川国芳は、日本の浮世絵師トップ5に入る達人!

地球上の画家・芸術家をぶっちぎり
世界の最高峰をゆく浮世絵師5人衆は
・葛飾 北斎(かつしか   ほくさい:Katsushika Hokusai)
・歌川 広重(うたがわ  ひろしげ:Utagawa Hiroshige)
・東洲斎 写楽(とうしゅうさい  しゃらく:Toshusai Sharaku)
・喜多川 歌麿(きたがわ  うたまろ:Kitagawa Utamaro)
・歌川 国芳(うらがわ  くによし:Kuniyoshi Kuniyoshi)
まさに、日本最高峰の美意識の達人です。

歌川 国芳 以外の人の浮世絵師については、
この日本美意識本舗サイトの記事
それぞれ紹介していきますんで・・・お楽しみに。

歌川国芳の代表作・傑作・名作を楽しんじゃう!

武者絵の国芳!ここにあり! 国芳の真骨頂は武者絵!

『甲越勇将伝 本庄越前守繁長』 上杉謙信の重臣・本庄繁長を描いた武者絵/出典:wikipedia

あの江戸時代に、爆発する火薬の飛び火を
このように画期的な表現で描く浮世絵師 国芳(クニヨシ)は
今の戦闘アニメ・漫画を描く作家たちに
大きな影響をあたえ続けると感じています。

国芳“寄せ絵”傑作『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』
読みは『見かけは怖いが、とんだいい人だ』です。

国芳の傑作“寄せ絵”『みかけハこハゐがとんだいゝ人だ』一体、何人の人間が組み込まれてるんんだろう?/出典:wikipedia

観れば観るほど面白くて
絵の中に吸い込まれる国芳(クニヨシ)の”寄せ絵”

ただ、風景を描写するとか人物を精密に描くという
次元を遥かに超えて
卓越した発想力とアイデアとユーモアで
絵画の持つ自由度を存分に際立たせ
観る側に”楽しさ”と”面白さ”を
与え続ける吸引力も
国芳(クニヨシ)の魅力なんです。

国芳の代表作 天保の改革を
風刺した『源頼光公館土蜘作妖怪図』

天保の改革を風刺した源頼光公館土蜘作妖怪図/出典:wikipedia

国・政府・お上の権力の理不尽や腐敗を
浮世絵という手段:メディアを通じて風刺

江戸庶民の支持をえていた国芳さんなんです。

国芳代表作「忠臣蔵十一段目夜討之図」
西洋画の技法を貪欲に吸収した国芳!

西洋画の技法を使った「忠臣蔵十一段目夜討之図」/出典:wikipedia

研究心旺盛な国芳は
いち早く熱心に西欧の絵画を研究し、遠近法や投影法など
西洋の技法を自身の浮世絵に反映させていました。

歌川国芳の猫づくし!猫浮世絵師 国芳!
ネコだらけの”当て字”が傑作で可愛い!

国芳”猫の当て字絵”『なまず』/出典:wikipedia

よくよく見入ると可愛い猫たちが
身体をスリスリして文字のカタチ作っている。
『なまず』という字を猫の当て字絵で描いている。
他にもたくさんの種類を描いています。
よくここまでヤルよねと脱帽させられます。
生半可な猫観察では出来る技ではない。
国芳さんが、さすがだなと感じてしまう瞬間なんです。

歌川国芳の代表作『猫づくし』猫マニア絶賛!
さすがネコ好き浮世絵師:国芳にあっぱれ

『猫のけいこ』/出典:wikipedia

江戸時代後期に旦那衆・男性たちの間で
流行したお稽古事「浄瑠璃(じょうるり)」を猫で描いた浮世絵です。

「浄瑠璃(じょうるり)」とは
曲を、琵琶(びわ)・扇拍子による音曲(おんぎょく)の語り物と、
それを承(う)け三味線を使って発展した諸派の音楽の総称です。

なんと、女のネコ師匠とネコ弟子2匹の着物の柄が
猫の大好物となっているんです。
ネコ師匠の着物の柄は、鈴に小判、猫の足跡、目刺し。
手前のネコ弟子の着物の柄は、フカヒレ。
奥のネコ弟子の着物の柄は、蛸(タコ)の絞り
が描かれています。

ここまでアイデアとユーモアを
注ぎ込んだ”猫づくし”なんですね。

この戯画:団扇(うちわ)絵を観て観察しただけでも
歌川国芳が無類のネコ好き・尋常ならぬネコフリークで
猫好き浮世絵師あったことが証明されますよね。

国芳代表作其まま地口猫飼好五十三疋』は
『そのままぢぐちみょうかいこうごじゅうさんびき』

国芳の代表作:戯画『其まま地口猫飼好五十三疋』(そのままぢぐちみょうかいこうごじゅうさんびき)/出典:wikipedia

歌川国芳の猫づくしは、世界のネコマニアの憧れの世界!

同じ歌川の門下生であり同年の
あの風景浮世絵師:広重(ヒロシゲ)さんの

最高傑作の『東海道五十三次』を題材に
引っ張ってきちゃって、宿場名を
なんと『猫』のダジャレで
表現し尽くしたアイデア戯画集!

猫好きでなくても楽しめる作品に仕上げている
国芳さんは、スゴいっ!と思いませんか?!

「二本だし」鰹節とは、やっぱりお江戸。跳びつく可愛いネコ/出典
www.adachi-hanga.com

国芳さんの同期の絵師:広重さんの最高傑作
『東海道五十三次』の出発地点はもちろん「日本橋」
だから
猫好きな国芳さんが描いた”猫で辿る東海道”では
「日本橋(にほんばし)」ならぬ「二本だし(にほんだし)」!

ここまで猫づくしで徹底して
ダジャレでも突っ込んでこられちゃうと
思わず、笑顔が溢れてしまいます(*゚▽゚)

さすが最高の国芳さん節!
面白くて楽しいですね(*゚▽゚)

ちなみに・・・
国芳さんは、たまらなく好きだったんでしょう。
絵を描くときも猫を抱えていたとも・・・伝えられています。

府中市美術館『歌川国芳 21世紀の絵画力!』
長蛇の列!大好評のうちに終了!

前期・後期を合わせて240点もの作品と
直接出会えた歌川国芳の展覧会
歌川国芳 21世紀の絵画力!』が
府中市美術館で開催され、5月7(日)で幕を閉じた。

連日、若い女性、小中高の学生さん、大学生のカップル
社会人の男女、お父さんお母さん、お爺ちゃんお婆ちゃま
それこそ、老若男女問わず
本当に広い層の観客が訪れ大好評の展覧会でした。

本当に多くの方々が
日本の美術・芸術に関心を持たれ
国芳さんの魅力と美意識とエネルギーを
存分に浴びまくっておられました(*゚▽゚)

猫づくし!金魚づくし!武者絵!
イケてるクニヨシ・ワースドに大絶賛の嵐!

歌川国芳のネコ作品『猫の左仮』が特別出品。
ネコマニアは必見もの。観れて良かった!

すべての作品は輝いていました!
そして、歌川国芳の『猫好き』は有名なんですが
展覧会、会期中にクニヨシの傑作が新発見され
その作品『猫の左仮』が特別出品されたんです。

かねてから人気の高い『おぼろ月猫の盛』と
関係のある作品だと考えられれてるらしい逸品でした。

特別出品《猫の左仮》/出典:www.city.fuchu.tokyo.jp

特別出品『猫の左仮』
よく見入ると猫が人間のように
宴会で酒を飲みご馳走に舌づつみ
猫芸者さんまで呼んで、三味線を弾かせ
芸者三昧してる・・・スゲぇネコ世界!
この作品を観れた猫マニアは
ホントにラッキーだなと感じています!・・ハイ!

僕自身も国芳さんの美意識に触れるために
5月6(土)に府中美術館に行って観てまいりました。
当日、会館10時に行ったのですが、すでに先着者20名。
午前中みっちり観て午後違う予定を入れていたのですが
閉館の5時までみっちり釘付けになっていた自分がいます。

やっぱり国芳(クニヨシ)さんは
北斎さん・広重さんと並ぶ世界が誇る
ニッポンの奇才浮世絵師でした。

歌川国芳 21世紀の絵画力!』:府中市美術館(5月7(日)で終了)
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/kuniyoshi21.html

まとめ

躍り出る鉄火な任侠ワールドに憧れ
物語のヒーローの姿に惹かれ
粋でいなせな美人に恋い焦がれ
酔いしれ魅了さていた
江戸庶民の美意識を捉えて
絶大な人気を獲得していた

天才浮世絵師 歌川国芳(うたがわ くによし)

間違いなく、日本人であるアナタと僕が
全世界の人々に向けて、胸を張って
誇れる”日本の美意識!” ”日本人の美意識!”
その世界を巻き起こす張本人
歌川国芳(うたがわ くによし)さんでした。

日本美意識本舗では
アナタの人生を元気にしてくれる
先人・先達のアーティスト・作家の美意識を

連載投稿をしています。

ぜひ、別の達人紹介のページを
覗いてみてください!

・・・日本美意識本舗:著者:アオキシロウより

この記事の巻末に著者:アオキシロウの詳細プロフィール
を紹介していますので、ご覧ください(*゚▽゚)

この記事を書いた著者プロフィール
このサイトの記事を執筆いている筆者:アオキシロウは、
絵・画・ビジュアルを描く表現者・絵師・イラストレーターです。
独自の世界観・美意識で創作表現をお届けしております。

自著の本サイトでは
人の感性と心に潤いと楽しさを与える先人・先達のアートと
社会をつなぐ橋渡しのお仕事をしています。
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