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滝平 二郎 切り絵の作品集・画集・版画・絵本には日本人の故郷が切り抜かれている!

長期連載された朝日新聞日曜版の
「顔」を飾った切り絵の数々。

滝平二郎(たきだいら じろう)さんの美意識は、
日本人の心の底板を
流れる感情と思い出のどこかにある原風景を
呼び覚まさせる。
郷愁をかきたてる“切り絵”(きりえ)の世界。

朝日新聞の日曜版(昭和44年から9年間)に
連載された切り絵が
僕の脳裏と心に残る。

僕には、姉さんはいないけれど
なぜか、絵に登場する姉さんと
弟と妹の兄弟の姿を観るたびに

滝平二郎さんの美意識に触れ
心に響き揺れ動くものが
あるんです。

こんにちは!
日本美意識本舗:オーナー・筆者
絵師・イラストレーターのアオキシロウです。
この日本美意識本舗のサイトでは
僕自身がホントに響いたものしか
掲載しましせん。

だから、本日は滝平二郎(たきだいら じろう)さん。
彼の切り絵・美意識の世界へご案内したいんです。

では・・・(*゚▽゚)

滝平二郎の美意識が染みる日本の夏休みの夜。

天花粉/出典:www.asahi.com

汗疹(アセモ)にならぬように
弟に白い粉をまぶしてあげて
愛情を注ぐ
浴衣姿が淡麗で綺麗なお姉さんは
・・・アナタですか?

なんてったって
優しいお姉さん
まぶしてくれる
首筋に塗られた
白い粉の香りが好きだった。

・・・この坊やは男性の読者の
貴殿ではないですか?

団扇(うちわ)で
口元を隠して
ニッコリ微笑んでる

浴衣姿が可愛い妹さんは
・・・もしかして、アナタですか?

うらやましそうに
弟とお姉さんを眺めて

団扇(うちわ)を仰ぐ兄貴は
・・・もしや、貴方ですか?

青畳の香りと
蚊取り線香の香りが
漂う夏が好きだった。
なぜか、好きだった。

夏休みの夜の思い出。
一夏の優しい陽炎。

”天花粉”の思い出。

滝平二郎の切り絵の美意識から
春のそよ風と花の香りが漂う。

うさぎ/出典:www.asahi.com/

肌を刺す寒さから
頬を撫でる暖かな日差しに。

春の風が
梅の花のつぼみを
膨らませる。

あなたの頭上には
必ず梅の花が咲いた。
あなたの成長を
愛でるために咲いてくれた。

梅の花の香り。

”梅”:滝平二郎/出典:www.asahi.com/

滝平二郎が55秒でわかる早わかりプロフィール

19212009 昭和後期平成時代の版画家・切り絵画家。
大正1041日生まれ。平成21516日没。88歳。
茨城県出身。石岡農学校(現石岡一高)卒。
第二次大戦後に木版画家として独立し後に切り絵に転じる。
昭和44年から9年間、朝日新聞・日曜版に
農村をテーマとした「きりえ」を連載。
読者より絶大な支持を得て一躍切絵の第一人者となる。

絵本作品では斎藤隆介(りゅうすけ)の短編に絵をつけた
『八郎(1967)』『三コ(1969)』『花さき山(1969)』などが
有名である。

梅だより:滝平二郎/出典:www.asahi.com/

美意識の達人!滝平二郎のココがすごい!

滝平 二郎さんの切り絵は
僕の脳裏に強烈に染み入って
日本人の心に生きてるんです。

どこか、懐かしい四季の思い出・
匂い・香り・明かり・まばゆい景色。

滝平 二郎さんの切り絵の眼差しは
日本人の美意識を呼び起こすんです。

切り絵に登場する姉さん、兄さん、弟、妹。
じっちゃん、ばあちゃん。
そして日本の四季の景色・風・音・空気。
どれをとっても
いつだったか観た、その場。

切り絵画家:滝平 二郎(たきだいら じろう)
は、日本の日常の原風景、その場を切り採って

僕らの心に届けてくれる。
滝平 二郎の真骨頂がそこに存在する。
美意識の達人!滝平二郎のココがすごい!

滝平 二郎の”切り絵”は
滝平劇場とでも言うべき四季の出来事。

春休み:滝平二郎/出典:www.asahi.com/

春が来ると菜の花の黄色を連れてくる。
小川の流れ・池の水に
メダカやドジョウやフナも動き出す。
なぜだか、ココロがウキウキしてくる。

水ぬるむ:滝平二郎/出典:www.asahi.com/

出典:blog.goo.ne.jp/

雨が降った翌日
春の温かな日には竹の子がニョキニョキ出てくる。
竹の子狩りなんて豊かな体験をしてみたい。
あなたは、どうですか?

滝平 二郎「郷愁の四季」夏 入道雲

滝平 二郎「郷愁の四季」夏 入道雲/出典:http://blog.onekoreanews.net/

夏風に入道雲に麦わら帽子
1日に数本しか通らない田舎の路線バス
もう、素敵な日本の美意識。

滝平二郎と『衣がえ』

衣がえ:滝平二郎/出典:www.asahi.com/

どうして
子供の男の子は
風呂チンで飛び回るのが大好きなんだろう。

風呂チンで追いかけられるの大好き。
僕も風呂チンで飛びまくっていたんです。

滝平二郎の優しい眼差しと愛情が
うかがえる。

滝平二郎と『ささ舟』

ささ舟/出典:http://runomi.at.webry.info/

なんで、男の子はどこでも立ちションをするんだろう?
棒があるから、しやすいんだと誰かが言ってた。
小学2年の時、僕は友達3人で
小学校の体育館裏の塀(ヘイ)に登って
隣の民家にめがけて立ちションをした。
誰が一番遠くへ放水できるか競ってた。

すごい綺麗で初恋の女性だった
担任の先生に
物凄く・・・
それこそ、もの凄く、叱られた。
めちゃくちゃ、怒られた。

『そんなに怒らなくても・・・
先生、チンチンついてないから

 ワカンねぇんだよ!』と心に中で
つぶやいたの、思い出した(笑)

滝平二郎の夏花火。見上げると
アナタの心に花火が打ち上がる。

滝平 二郎/出典:blog.goo.ne.jp/rinjuki/

滝平二郎の蛍から日本の夏休みが蘇る。

蛍こい:滝平二郎/出典:youkohime-1.cocolog-nifty.com/

おんぶしてもらって
見上げる打ち上げ花火。
綺麗で楽しくて嬉しくて・・・。

夏の夜の打ち上げ花火
うちわ
キンチョウ蚊取り線香の香り
浴衣と蛍

もう日本人の血に流れる美意識ですね。
滝平二浪さんは、それを蘇らせてくれる。

滝平二郎の夏。兄と弟の捕虫網の夏休み。

夏休/出典:blog.goo.ne.jp/rinjuki/

7月20日なると夏休み。ミンミンゼミの声が聞こえる。

毎年、いつも7月20日なると
夏休みが来る。学校が休みになるから
兄と弟は信州のばっちゃんのいる
田舎に毎年行くんです。

夏の宿題がいっぱいあるのに
そんなの関係ねぇと言わんばかりに
ばっちゃんのいる田舎に家に行くんです。

天竜川の信州・飯田線の無人駅から心の故郷へ

信州の飯田線の無人駅に降りて
ばっちゃんの家に着いた途端
ばっちゃんにあいさつもせず

兄と僕は、裏庭の木戸を開け
一目散に鎮守の森のある水神様の
湧き水の池に急いで行くんです。

裏木戸を開けると田舎の香り。
ひまわりの花が咲く時が止まった裏庭を走り

白い御蔵と納屋のひんやりした狭い間を抜け
苔の香りのする石畳のジグザグの階段を登り
トウモロコシ畑の間を抜けて
去年の夏採った、左下のわさび田にいる
沢ガニの姿を思い出しつつ
兄と弟は水神様の鎮守の森に走るんです。

捕虫網を持った兄ちゃんと
小さな虫かごを持った弟と
今年の夏の宝物。
ミンミンゼミを採るんです。
ミンミンゼミの透き通って光る羽根に
魅了される。
滝平 二郎の切り絵は
兄と弟の捕虫網の夏休みを思い出させてくれる

モンモンもこもこの夏なんです。
もんもんモコモコの入道雲なんです。

若葉色と銀色にキラキラ輝く
広がる水田の真ん中を1本の小道が伸びる。

ゲンゴロウとドジョウと殿様ガエルがいる
冷たい水神様の用水路が両脇に流れる
まっすぐ続く300メートル伸びる石畳の一本道。
鎮守の森のある水神様にまっしぐら。

真っ青な青空に燦々と照る日差し。
見上げると悶々モコモコの入道雲。

田舎道・白い畦道・一本道の夏なんです/絵師:アオキシロウの作品

滝平二郎の”夏なんです”は
兄と弟の夏休み。
田舎の白い畦道の夏休みを
想い起こさせてくれる。

余談の追伸)
”はっぴいえんど” 細野 晴臣さんと
松本 隆さんの”夏なんです” ・・これは珠玉。

この場を借りて一言、お届けしたいのですが・・・
日本人の故郷・日本人の心の夏を描いた作品に
僕が大好きで尊敬している
日本語ロックの草分け的存在バンド”はっぴいえんど”
(いまだに日本人のどんなバンドも
  抜くことができない伝説のロックバンド)
のメンバーであつた
作曲:細野 晴臣さんと作詞:松本 隆さん
の『夏なんです』があるんです。

あのYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)を
世に産んだ細野 晴臣さん。松田聖子さんのヒットソングの
作詞を提供していた松本 隆さん。

細野 晴臣さんと松本 隆さんの美意識があったからこそ
あんなに素敵なサウンドの世界『夏なんです』が
生まれたんだと、僕は感じています。

YouTubeで
”はっぴいえんど”の『夏なんです』聞いてみて
(*゚▽゚)

”はっぴいえんど”のメンバー4人
細野 晴臣さん・松本 隆さん・鈴木 茂さん
大瀧詠一さん(故)については『日本美意識本舗』の
別記事でご紹介したいと思ってます。

まとめ

ねこ柳:滝平二郎/出典:www.asahi.com/

朝日新聞の日曜版 :連載企画の
滝平二郎(たきだいら じろう)の
切り絵の数々は

多くの日本人の心根に流れる
日常の風景の美意識を
呼び起こした。・・・そう感じます。

僕は滝平二郎さんの作品が好きで
中学生の時に作品集を観ながら
滝平二郎の美意識の中に
何時間も引き込まれのを思い出します。

滝平二郎さんの切り絵は
我々、四季の中に生きる日本人の
日常の美しい記憶の一コマ一コマ

描いた美意識の劇場だったんじゃないか。

・・・僕はそう感じるんです。

この記事の巻末に著者:アオキシロウの詳細プロフィール
を紹介していますので、ご覧ください(*゚▽゚)

絵師・画人・イラストレーター:アオキシロウの美人画の一部。

この記事を書いた著者プロフィール
このサイトの記事を執筆いている筆者:アオキシロウは、
絵・画・ビジュアルを描く表現者・絵師・イラストレーターです。
独自の世界観・美意識で創作表現をお届けしております。

自著の本サイトでは
人の感性と心に潤いと楽しさを与える先人・先達のアートと
社会をつなぐ橋渡しのお仕事をしています。
また、著述家・コラムニスト・ライター
の仕事も携わっております。

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お仕事の発注をされる出版社・編集プロダクション・
広告アドエージェンシー・アドプロダクションの
編集者・装幀家・アートディテクター・
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