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歌川広景(ヒロカゲ)の浮世絵は、笑える美意識とユーモアが満載!さすが歌川広重の弟子さん!

こんにちは
日本美意識本舗サイトのオーナー・筆者
絵師・イラストレーターのアオキシロウです。

今回は『日本美意識本舗』でも紹介している
天才浮世絵師:歌川広重さんの弟子
歌川広景(ヒロカゲ)にスポットを当てました。

もくじ:この記事の内容

2017年新春!太田記念美術館で開催された
『お笑い江戸名所〜歌川広景(ヒロカゲ)の全貌』

2017年1月5〜29に
東京・原宿・表参道にある

浮世絵鑑賞の名所:太田記念美術館で
あの世界的に有名な
天才風景浮世絵師:歌川広重の弟子
【歌川広景(ヒロカゲ)】の
展覧会開催されたんですね。

絵師・描き手であるアオキシロウも
この展覧会を実際に観てきました。

物凄く面白かったんで
今回は、
浮世絵師:歌川広景(ヒロカゲ)
スポットを当て
いったい、どんな浮世絵を描いたのか?
いったい、どんな美意識の世界を描いたのか?
お届けしますね。

あの巨匠:広重の弟子の歌川広景(ヒロカゲ)
代表作『江戸名所道戯尽』はお江戸お笑い劇場!

原宿:表参道に静かに佇む太田記念美術館で開催された展覧会

歌川広景(うたがわ ヒロカゲ)の代表作
『江戸名所道戯尽:エド  メイショ ドウケ  ヅクシ』と読みます。
幕末の江戸の名所を舞台に

こける! ズッコケる!  犬に足を噛まれる!
騒いだり転んだりする! 屁をこく! ふざける!
おバカな江戸っ子たちが大集合 !

笑いに溢れた江戸に暮らす
江戸っ子たちの笑いの姿と
馬鹿馬鹿しくて笑える瞬間を
捉え描かれた
ユーモア溢れる浮世絵ワールドを体感できました。

やっぱり、行ってきて良かったあっ〜っ!

歌川広景(ヒロカゲ)の人物像は?
正体不明の謎の浮世絵師だったの?

歌川広景(うたがわ ヒロカゲ)という人物。
生没年は不詳。歌川広重の門人であること以外
詳しいことは解明されていない
謎の江戸時代後期の浮世絵師。
とにかく謎に包まれた人物なんですね。
号は広景(ヒロカゲ)別号に一葉斎。

歌川広重葛飾北斎影響を受けた
歌川広景(うたがわ ヒロカゲ)の浮世絵とは

筆者が、実際に歌川広景(うたがわ ヒロカゲ)
浮世絵を実際に観てきて感じたことは
師匠の歌川広重(ヒロシゲ)さんと
天才:葛飾北斎(ホクサイ)さんに
強力に影響を受け
インスパイア(感化)された
浮世絵師だったんだなぁ〜と

2人の天才浮世絵師の浮世絵から
テーマや題材や構図や絵のディテールなど
まんま丸パクリして
再構成しアレンジした作品が
多く見受けられました。

とにかく、クスクスと笑えちゃう
歌川広景(うたがわ ヒロカゲ)の浮世絵の世界。
具体的に紹介していきますね!

歌川広景【江戸名所道戯尽 十六 王子狐火】と
歌川広重【王子装束ゑの木大晦日の狐火】を
比べて観てみると・・・

歌川広景(ヒロカゲ)「江戸名所道戯尽 十六 王子狐火」(太田記念美術館蔵)

上の浮世絵「江戸名所道戯尽 (エド  メイショ ドウケ  ヅクシ)
十六  王子狐火(ジュウロク オウジ キツネビ) 
弟子:広景の作

キツネが出てきて、ちょっと不気味で幻想的だけど・・・
大名行列ごっこを楽しんでいるキツネたちの風景の浮世絵。
毛槍の代わりにトウモロコシをくくり付けた竹を掲げて
挟み箱の代わりにカボチャを担ぎ
大きなザルに座って御満悦な男の顔が
狐(キツネ)に化かされて、ぶっ飛んじゃって
すっかりお殿様になった気分になっちゃって

笑えちゃいますよね(^_^)

この場所は、現在の王子稲荷社付近。
江戸時代、大晦日の夜になると狐(キツネ)たちが
王子稲荷社に集まり、近隣の農民たちは
この時に狐が発する狐火の数によって
翌年の農作物の豊凶を占ったと伝えられているんです。

下の浮世絵は、あの有名な歌川広重の作【名所江戸百景】
シリーズの中の最高傑作!『王子装束ゑの木大晦日の狐火』
(おうじ  しょうぞくえのき  おおみそか のきつねび)

名所江戸百景『王子装束ゑの木大晦日の狐火』現在の王子稲荷神社(おうじいなりじんじゃ)に集まる狐の灯火/出典:wikipedia

「大晦日の夜、王子の装束榎のもとに稲荷神の使いである狐が集まり、
装束を改めて王子稲荷へ参詣する。
人々は狐の発する狐火の数からその年の豊凶を占う。」
この狐火伝承を幻想的に描いた初代歌川広重の代表作。

この最高傑作を広重の弟子である広景(ヒロカゲ)
広重の最高傑作『王子装束ゑの木大晦日の狐火』を巧みに真似て
幻想的な中に”笑えるユーモア”を注ぎ込み仕上げている。

現在の王子(おうじ)にて、平成5年の大晦日から
この伝説をもとにしたイベント
「王子・狐の行列」が
毎年行われとても賑わいも見せているです。

浮世絵に登場するキツネもタヌキも
江戸時代の日常の身近な存在だったのかも!

つい昨年の話、僕が練馬区の豊島園を囲む道路を
自転車で散歩していた時・・・
頭の上の上空がめちゃ騒がしいので見上げると、
電柱と電柱を結ぶ電線を、綱渡りじゃなくて
不細工な電線渡りをしている黒い大きな生き物が・・・!

キツネじゃなかったけれど、丸々太ったタヌキでした(爆笑!)

江戸時代の日本、その当時のお江戸は
今の東京(お江戸)とは
比べ物にならないくらい自然豊かだったのでしょう。

草木でうっそうとした丘や森や雑木や
葦が群生する小川や湿地などが
豊富に存在していて
実際にキツネやタヌキなども住みやすかったのでしょう。

歌川広景:ヒロカゲの笑える浮世絵
「江戸名所道化尽  九  湯嶋天神の台」

広重さんの弟子:歌川広景(ヒロカゲ)「江戸名所道化尽 九 湯嶋天神の台」(太田記念美術館所蔵)

この浮世絵は笑えるよねっ!
舞台は江戸・湯島天神の境内。
不忍池が見える高台の風光明媚(めいび)な地。

江戸の庶民が好んで食べた蕎麦を
運んてた出前の親父さんの足に
お江戸のおバカな犬が噛みついたっ!

痛さにたまげた拍子に
運んでいた蕎麦を全部ぶちまける羽目に!

でも、ぶちまけられた蕎麦は
いつも、威張り散らして偉そうに歩いているお侍さん
の頭にモロに・・・かけられたっ!
これが本当のお江戸の”かけ蕎麦”!・・・なんちゃって!

だいたい、世の中、偉そうなヤツが
滑稽に痛い目に会うと”気持ちいい”そして”快い”!
そばを頭にかけられたお侍さんを見て
笑い飛ばしている江戸っ子に同感!共感しますよね!

蕎麦をかぶって、すっ転ぶヤツが
あの狡っからくてセコい舛添前都知事だったら
どんなに、東京の、日本の国民が
気持ち良く
笑えただろうなぁっ!・・・などと
実物の浮世絵を目の前に観ながらクスっ、ニヤッと。

歌川広景:ヒロカゲの笑える浮世絵
「江戸名所道化尽  十九  大橋の三ツ股」

広重さんの弟子:歌川広景(ヒロカゲ)「江戸名所道化尽 十九 大橋の三ツ股」(太田記念美術館蔵:所蔵)

夏の暑い日、水泳のために橋の上から飛び込む褌一丁の男たち。
しかし、スイカを運ぶ小舟のど真ん中に落下!
商品となる荷積みのスイカに激突。
スイカが木っ端微塵!・・・『これじゃあ、商売あがったり!』

夏スイカ 男の尻で スイカ割り 
夏の大橋 映える夏富士

歌川広景筆 『青物魚軍勢大合戦之図』擬人化
された青物(野菜)と魚介類の合戦を描いた錦絵。

歌川広景筆 『青物魚軍勢大合戦之図』(安政6年10月)版元:辻岡屋文助/出典:wikipedia

『青物魚軍勢大合戦之図』
『アオモノ サカナ グンゼイ オオカッセン ノ ズ』読みます。

人間以外の生物や無生物を擬人化して戦わせる主題は
右側の青物軍は、上から藤唐士之助(とうもろこしのすけ/トウモロコシ)
蜜柑太夫(ミカン)、唐辛四郎(トウガラシ)、芋山十八(ヤマノイモ)、松田茸長(マツタケ)、砂村元成(カボチャ)、大根之助二股(ダイコン)
藤顔次郎直高(トウガン)。

右下から空豆之進(ソラマメ)、茄子三郎(ナス)、水瓜赤種(スイカ)
桑井永之進(クワイ)、甲斐武道之助(ブドウ)、百合根十郎(ユリネ)
宇利三郎(マクワウリ)。

左側の魚軍は、右の方から鰈平太(カレイ)、
ほうぼう小次郎(ホウボウ)、海底泡之助(カニ)、初鰹之進(カツオ)、佐々井壷八郎(サザエ)、蛸入道八足(タコ)、戸尾魚次郎(トビウオ)、鯰太郎(ナマズ)、味物鯛見(タイ)、しやち太子(シャチ)、
大鰭鮪之助(マグロ)、ふぐ三郎腹高(フグ)。
などが、登場している。青物軍優勢の合戦のようです。

『江戸名所道戯盡  二  両国のの夕立』広景の絵
師匠:歌川広重の傑作『大はしあけたの夕立』 を題材として滑稽画を仕上げた!

場所は隅田川にかかる両国橋のたもと、実は
雷神が誤って隅田川に落ちちゃった。
そしたら雷神の※尻子玉(しりこだま)を
奪おうと河童(カッパ)が襲い掛かろうとしている。
雷神も屁(へ)で応戦していて
屁(へ)が臭いので・・・
河童(カッパ)が鼻をつまんでいる。

・・・川に落ちる雷神も間抜けだけど
・・・屁(へ)を嫌がる河童(カッパ)も間抜けで
なぜか、声を出して笑えちゃうよね (^_^)

※尻子玉(しりこだま)=人の肛門(こうもん)にあり、
 河童(かっぱ)に抜き取られると腑抜(ふぬ)けになると伝える玉。

『江戸名所道戯盡 二 両國の夕立』版元:辻岡屋/出典:wikipedia

下の絵画は、世界に誇る浮世絵師:歌川広重の『名所江戸百景』
シリーズの傑作中の傑作『大はしあけたの夕立』
この両国橋のたもとで、隅田川に落ちた雷神と河童の戦いが
繰り広げられているんだから・・・面白くて楽しいよね (*゚▽゚)

『名所江戸百景』の傑作『大はしあたけの夕立』(出典:wikipedia)

”太田記念美術館” って浮世絵を観て
日本の美意識を浴びれるとっておきの場所。

太田記念美術館。
生の浮世絵の美意識に触れられる
静かな東京都心:原宿のミュージアム!

場所は、東京:山手線 原宿駅から歩くこと4分。
表参道沿いから、一歩入る閑静な路地に静かに佇む
品良く出しゃばらない小さな浮世絵の世界を
味わえる空間なんです。

東京原宿:表参道からの路地に佇む小さいけど粋な”太田記念美術館”

世界の巨匠!浮世絵師:歌川広重さんの作品をはじめ
優れた先人・先達の浮世絵師たちの作品群に
出会えるお気に入り珠玉の美術館が
『太田記念美術館』なんです(*゚▽゚)ノ

東京原宿:表参道に佇む浮世絵専門のミュージアム【太田記念美術館】

世界の巨匠!浮世絵師:歌川広重さんの作品をはじめ
優れた先人・先達の浮世絵師たちの作品群に
出会えるお気に入り珠玉の美術館が
『太田記念美術館』なんです(*゚▽゚)ノ

歌川広重の代表作『名所江戸百景:深川州崎十万坪』が見れる展覧会『江戸の絶景:雪月花』は終了しました。

▶︎『江戸の絶景:雪月花』の展覧会は
2017年2月3(金)~3月26(日)で盛況のうちに
 終了いたしました。

”太田記念美術館” 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1−10−10/電話: 03-5777-8600

 芸術家の展覧会を100倍楽しくする鑑賞テクニック!

この機会に筆者から読者のアナタに
▶︎一生得するミュージアムの楽し方の方法
をお伝えいたします。 (^^)

人混みを逃れて一息つける浮世絵鑑賞の在り処・
美意識を醸造できる場所を確保するためには・・・

作家・芸術家・表現者の作品とは
落ち着いた気持ちで静かに出会たいたいもの。
そして、作品からダイレクトに
美意識の息吹を浴びるためるには
絶対に人混みは避けるべき・・・と
僕は思っています。

雑多で騒がしい波動は
あなたの感性と美意識を濁らせますから・・・

歌川広重 作『名所江戸百景』深川州崎十万坪(出典:wikipedia)

美術館・展覧会を楽しくお得に鑑賞する3つのコツ!

1)土日の鑑賞は避ける!
・・・今回は仕方なく日曜日に足を運びましたが
・・・可能な限り、土日は混雑が予想されるので
・・・避けましょう!

2)悪天候・雨の日に行く!
・・・雨の日とか、雪の日とか
・・・可能な限り、意識的に
・・・他の人が外出を避ける天候の日を
・・・選んで、美術館に向かいましょう!

3)平日の午前中の早い時間帯を狙う!
・・・開館時間と同時に入館!
・・・もしくは
・・・閉館時間1時間前に入館する!

要は普通の人々が動きやすい曜日と
時間帯を避けるんです。

人々が訪れ混雑するタイミングを
ことごとく避けるんです。

混雑していない会場環境
意識的に手に入れて
アナタが、作家・芸術家さんと
1対1の対話ができたなら・・・
今で体験したことのない
唯一の感動を手に入れられるはずです。

まとめ

アナタは
世界がうらやむ巨匠!先人・先達である
至高の芸術家・作家・表現者の作品を
目の前にして面と向き合い、
ため息を吐く感動

いただいたことがありますか?

筆者は、先に紹介した
『美術館を楽しくお得に鑑賞する3つのコツ!』
を実践し
誰もいない美術館会場で
作家たちの作品と
1対1で向き合い

至高の芸術家・作家・表現者の
美意識にインスパイアされ
最高にラッキーな体験を
何度もいただいてきました。

アナタの心と身体と感性を
豊かにできて幸せを感じたいなら
お伝えした美意識を磨く展覧会:鑑賞法
試してみてください(*゚▽゚)

では、また【日本美意識本舗】の
他のコンテンツでお会いしましょう!

追伸)
 今回の主役の『広景(ヒロカゲ)』の
師匠である歌川
広重(ヒロシゲ)』さんに
ついて興味ある人は

   本アート・サイト【日本美意識本舗】
『浮世絵師 歌川広重 世界がうらやむ
 至宝の超魅力と究極の吸引力』
覗いてみてくださいね (^_^)

この記事の巻末に著者:アオキシロウの詳細プロフィール
を紹介していますので、ご覧ください(*゚▽゚)

この記事を書いた著者プロフィール
このサイトの記事を執筆いている筆者:アオキシロウは、
絵・画・ビジュアルを描く表現者・絵師・イラストレーターです。
独自の世界観・美意識で創作表現をお届けしております。

自著の本サイトでは
人の感性と心に潤いと楽しさを与える先人・先達のアートと
社会をつなぐ橋渡しのお仕事をしています。
また、著述家・コラムニスト・ライター
の仕事も携わっております。

▶︎アオキシロウに絵画制作の依頼をされたい方・会社様へ。
お仕事の発注をされる出版社・編集プロダクション・
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  • 歌川広景(ヒロカゲ)の浮世絵は、笑える美意識とユーモアが満載!さすが歌川広重の弟子さん!

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